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幸運と悪魔を宿すグリモワールを持つ少年たちの妹ちゃん

第2章 グリモワール授与式と、私の道


「ユノ…待ってろ。すぐ追いつく…!俺はお前のライバルだからな!!」

呆然となる雰囲気の中、私だけウンウンっと頷いていた。昔から、2人はライバル同士だった。互いが互いの力を認め合い、切磋琢磨し合える関係。それは、少し羨ましくもあった。小さい時は、私も私もと言ったものだったが、今では別にそうでもない。それに、結婚するから、関係ないしね。

「何言ってんだ!グリモワールすら貰えなかったくせに!」

しかし、周りはアスタにグリモワールが現れなかったことについてはやし立てた。アスタは周りに何も言われても、いつもの様に目線は真っ直ぐユノ兄に向けられている。

「…ありえねー」

ユノ兄がアスタや私の横を通り抜け、外へと出ていく。それにつられ、周りもゾロゾロと解散していく。私は首を傾げていた。ユノ兄の言葉が引っかかっていたからだ。

「…確かに…なんでアスタにグリモワールは現れなかったんだろ?」

私がんーっと頭を捻っていると、誰かから肩を叩かれた。

「…今日はお祝いをしなきゃならんな」

少し悲しげな顔の神父様だった。その顔を見て、私は現実へと引き戻される。

「ええ!盛大にお見送りしてくださいね」

笑いかける私の顔を見て、神父様ははぁっとため息をついたのだった。
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