第2章 リヴァイ★邂逅相遇
可愛いと感じてしまうと、このまま何もなかったように帰れる自信がない。
さてどうしたものかと考えていると……
「あの、このオカメちゃん、私達には懐いてるんですけど、なかなかお客さんの手に乗ろうとしなくて…売れ残ってしまってたんです。」
……なんだと?
「お客様のこと、とても気に入ってるみたいなのですが……その……」
おいおい…
「飼い主になっては頂けませんか?飼育セット、少しサービスしますので。」
そうきたか……
リヴァイは深くため息をついて考える。
最初は新手の売り込みかと思ったが、これだけ人懐こければもっと早くに売れていただろう。
それに、自分の手に乗ったときのこの店員の慌てようは演技ではなさそうだった。
さぁ、どうしたものか。
とりあえず冷静に考えようとコイツをカゴに入れようとするが、なぜだか抵抗して入ろうとしない。
しまいには俺の頭の上までのぼり、つかまえられなくなってしまった。
店員ヒストリアも一度カゴに戻そうと助け船をだしたが右に左に抵抗し、生体室を飛び回ってはリヴァイの肩に止まる、と断固拒否の姿勢だ。
「オカメちゃん、どうしちゃったの?いつもお利口さんなのに……」
肩に止まってる売れ残りインコからはどうしても連れて帰ってほしいと訴えている。
ようにリヴァイは感じた。
仕方ない……
「はぁ……こいつに必要な物を全て揃えてくれ。……連れて帰る…」
「いいんですか?!ありがとうございます!!」
店員ヒストリアは大喜びで必要な物を揃え始めた。
根負けしてとんでもない買い物をしてしまったが、不思議と嫌な気持ちはなかった。
むしろ少しワクワクしている自分がいる。
品物が揃うのを待っていると、店員ユミルに話しかけられる。
「お客さん、鳥を飼うのは初めてか?」
なんだかこっちの店員は愛想もなくぶっきらぼうだ。
「あぁ、初めてだ。」
「じゃあ羽を切っておく。初心者は逃してしまうことが多いからな。爪も切っておくから伸びてきたら連れてきてくれ。有料だけど、爪切りもやっている。」
すると、店員ユミルは売れ残りインコを店の奥に連れて行った。
さっきまであんなに抵抗していたのに、リヴァイが連れて帰ると言った途端、てのひらを返したようにおとなしくなった。