第2章 リヴァイ★邂逅相遇
リヴァイはその売れ残りと思われるインコに見つめられたまま動けなくなっていた。
どれくらいたったであろうか……
「クソッ、これはいってぇどういう状況だ。」
腕時計を確認すると18時をまわろうとしていた。
すると、微動だにしないリヴァイを見かねたのか、若い女の店員が話しかけてきた。
「……お客様?手に乗せてみますか?」
その店員は流暢な日本語を話しているが、金髪に青い目をしている。
外国人か?
胸のネームプレートにはヒストリアと書いてある。
どうやら外国人のようだ。
「そんなことできるのか?」
この時点ではまだ飼うつもりなんてなかったが、断る理由もなかったため、手に乗せてみることにした。
インコなど飼ったことがないリヴァイにしてみれば、初めての経験だ。
「できますよ。こちらのスプレーで手の消毒をお願いします。少々お待ちくださいね。」
鳥かごの扉は、跳ね橋の様になっていて、ヒストリアという店員が、ロックを外して扉をおろすと、その売れ残りのインコはテクテクと歩きながら出てきた。
店員の手に乗ったインコは手をのばしていたリヴァイの手の甲にちょこんと乗り、きゅっと頭を下げた。
「……!」
こいつは何をしてるんだと聞こうと思ったが、この店員は目を見開いて驚いた顔をすると、大慌てでレジカウンターにいるもう1人の店員を呼んできた。
「ユミル!ユミル!いーからきて!早く!」
「おい、ヒストリア、なんだよいきなり!」
「あのオカメちゃんが、お客さんの手に乗ったの!」
「え?!」
リヴァイはユミルと呼ばれていた店員と目があった。
こっちはずいぶんと愛想が悪そうだ。
「おい、こいつは何をしてるんだ。挨拶か?」
「あ、あの…このポーズは撫でて欲しいのポーズです。優しく撫でてあげてもらえますか?」
「あぁ?!」
リヴァイは衝撃を受けた。
犬や猫ならわかる。馬だって人間に甘えることがある。
だが、鳥もそんなことをするのか?
半信半疑だったが、人差し指で頭を撫でてやると、気持ち良さそうに目を閉じ、こっちも、こっちもと言いたげに、首を右に左に傾けた。
「…………っ!!」
リヴァイは柄にもなく可愛いと思ったのと同時に、手に乗せた事を軽く後悔した。