第7章 リヴァイ★聖夜の誓い
そうこうしているうちに、テーブルの真ん中に土鍋が置かれ、両脇にはピザが並べられた。
皆席につき、グラスにビールが注がれると、新羅がゴホンとかしこまり乾杯の音頭となった。
「それではみんな揃ったところで!カンパーイ!メリークリスマス!&リヴァイ!ハッピーバースデー!」
カチーン☆
散々悪態をついていたリヴァイであったが、こうして気の許せる者たちと鍋を囲むのは、なんだかんだで悪くはない。
それに今年は祖国を思い出させる美味しいピザもある。
自然と酒がすすむのを感じた。
「そういやリヴァイはいくつになったんだい?」
『クリスマスと誕生日が一緒の子供は、プレゼントが一緒にされてかわいそうだよな』
「身長はもう伸びないのか?」
「…………。」
乾杯のあとは決まってこの質問だ。
もっとましな質問は無いのかとリヴァイは心の中でため息をつく。
そんなこんなで聖夜の宴は今年も楽しく盛り上がっていった。
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空になった缶ビールがゴミ袋いっぱいになり、締めの雑炊を食べ終わる頃には22時をまわろうとしていた。
いつもはここから酔った新羅がそれぞれにからみだしたり、大画面でのTVゲームが始まったり、深夜まで騒ぎ通してリビングで雑魚寝をして翌朝帰るのが恒例であった。
しかし、今年のリヴァイは事情が違った。
ふと自分の荷物に目をやると、愛しい小さな恋人に買ったプレゼントの袋が、鞄の横に並んでいる。
「よぉ新羅、俺先に帰るわ。セルティ、今年もご馳走になったな。」
リヴァイはコートを着て荷物を持つと、玄関まで向かおうとする。
「えー、なんだよ、泊まってかないの?」
「あぁ、連れが家で待ってるからな。遅くなるわけにはいかないんだ。」
「えぇーー??リヴァイに彼女ができたの?」
「おい、聞いてねぇぞ!」
新羅と静雄が、思わず食いつく。
事情の知ってるエルヴィンは羨ましそうにただただ目を瞑ってうなずいていた。
「説明するのが面倒くせぇ。セルティとエルヴィンがあらかた知ってるから後で聞いてくれ。じゃあな、良い年末年始を…」
リヴァイが靴を履いて出ていこうとしたところで新羅に声をかけられる。
「リヴァイ!彼女は可愛いのかい?」
「……あぁ、めちゃくちゃ可愛いぞ。」
リヴァイは悪い笑顔を新羅にむけた。