第6章 リヴァイ★懺悔
リヴァイは今までの人生の中で、誰かに誠心誠意謝罪をして許しを乞うよなことをしたことがなかった。
日本に来てからはエルヴィンとともにクライアント相手の仕事をしてきたが、完璧にこなすリヴァイは御礼を言われることはあっても、謝罪をしなくてはならない場面など一度もなかった。
それを今やれと言うのか…
「まぁ、お互いの信頼関係が修復できるなら何でもいいんだけど、朝から餌食べてないとなると可及的速やかな解決が必要だよ。なりふりかまっていられないと思うんだけどなぁ……」
すると、電話のむこうからハンジを呼ぶ声が微かに聞こえた。
「ごめん!まだ研究所なんだ。今ちょっと呼ばれちゃったから切るね!また何かあったら連絡ちょうだい!」
「お、おい!」
プープープー
電話は切れてしまった。
誠心誠意謝るなどしたことはなかったが、このままでは真珠の体調が悪くなってしまう。
リヴァイは腹をくくるしかなかった。
リビングの扉をあけて持っていたスマホをソファに投げると、真珠のかごの前に座って手をついた。
土下座までするつもりはなかったが、真珠のかごはフローリングに置いてあるため、目を合わせようとのぞきこむと、自然とそんな姿勢になってしまう。
真珠はリヴァイが何を言いに戻ってきたのかとチラチラと様子をうかがっている。
「真珠……昨日女を上げたことは…俺が軽率だった。二度としない…それと、今朝ヘタな嘘をついたことも悪かったと思ってる。嫌な想いをさせてすまなかった…だから機嫌を直して出てきてほしい…」
たとたどしくも、言葉を選びながらリヴァイは真珠に謝罪をした。
するとリヴァイの言葉が通じたのだろうか。
真珠は餌と水を2,3口ついばむと、カゴから出てきてリヴァイを見つめた。
「………………!」
恐る恐る手を出すと、真珠は素直に手に乗り、キュッと頭を下げる。
おそらくは許して貰えたのだろう……
盛大なため息をつきながらソファに腰掛けると、真珠の気の済むまで頭を撫でてやった。
「ハハ……一時はどうなるかと思ったぞ……」
「(もう!いけないのはリヴァイさんの方ですよ!)」
真珠は冠羽をピンと立ててリヴァイを覗き込む。