第6章 リヴァイ★懺悔
───22時過ぎ───
駅から走って帰ってきたリヴァイは少し息を上げながら真珠のかごの前に顔を出すが、今朝の様子と変わらず、背中を向けてこちらを見ようとしない。
ふと餌入れを見ると朝の状態からまったく減っていない。
鳥はエネルギーの燃費が悪いため、食べなくなるということは死を意味してしまう。
具合が悪いのかと心配するが、飼育本には具合の悪いときには羽を膨らませてじっとしていると書いてあった。
今の真珠はどちらかというとシュッと背筋を伸ばして頭の冠羽もピンと立っている。
いかにも「腹を立てている」と言わんばかりの表情だ。
病気でないにしても餌を食べないのであれば、時期に体調を崩してしまう。
誰かに相談をしたかったが、あいにくバードショップは閉店している。
しかし、リヴァイには1人、相談できる人物がいるのを思い出した。
少し面倒くさいヤツだから一瞬迷ったが、この際仕方ないと、リヴァイは場所を寝室に変えて、電話をかけた。
──プルルルル──
「あ、もしもしリヴァーイ?久しぶりだねー!」
…速攻ででやがった…
「ごめーん!クリスマスは残念ながら近くの大学の解剖実験に特別講師で呼ばれてるんだ。せっかくのデートのお誘い悪いんだけど……」
「おいハンジ!!つまらねぇ冗談はいらねぇ!」
「え?えぇぇぇぇ?!この時期にいきなり電話なんて、クリスマスにすごす女子がいなくてかけてくる寂しい独身男しかいないだろ?」
……だからこいつは面倒くさいやつなんだ。
盛大に舌打ちしたものの、他にあたれるヤツはいない。
ハンジは獣医師免許も持っている。さっさとアドバイスをもらって切ろう。
リヴァイはすんでの所でブチ切れるのを抑えた。
「そんなんじゃねぇよクソメガネ。動物には詳しいお前を頼って1つ聞きたいことがある。」
「なーんだ、そんなことか…ってリヴァイが?なんか意外だね!どうしたの?」
「まず言っとくが、余計な詮索はするなよ。質問には忠実に答えろ。わかったな?」
これが自分を頼りにかけてきたヤツの口のききかたか、と突っ込みたかったが、付き合いの長いハンジは「はいはい」と軽く返事を返した。
「どうやら俺は飼っているオカメインコの機嫌を損ねてしまったらしい。今朝から餌も食わなくなった。どうしたらいい?」