第6章 リヴァイ★懺悔
少し名残惜しく唇が離れる。
「いきなりなんだよ……」
ヒールのブーツを履かれると、リヴァイのほうが若干背が低くなるため、乃愛を見上げるかたちになってしまう。
「リヴァイ、好きな人できたでしょ?」
少し寂しげな目でリヴァイを見つめる。
「はぁ?」
「今日も、気持ちよかったけど、なんかいつもと違った…心ここにあらずって感じ…好きな人ができたから、その人に後ろめたいんでしょ?」
「…………。」
あながち間違いではない。ほぼほぼ図星をつかれてしまい、乃愛の目を見たまま思わず黙ってしまった。
「はぁ……リヴァイとの関係、結構気に入ってたんだけどなぁ。しつこくして嫌われたくないから、もう私からは押しかけないよ。またしたくなったら連絡ちょうだいね!」
「お、おい……」
乃愛はリヴァイの返事も聞かずに走って行ってしまった。エレベーターを使わなかったのだろう。
カツカツと階段をかけ降りてく音が聞こえてきた。
「ったく、なんなんだよ……」
薄暗い寝室のベッドにドカッと座ると、額に手を当てて盛大にため息をついた。
確かに、情事の最中寝室の隣にいる小さな存在が気になっていた。
それに、さっさと済ませて帰そうと思っていた時点で後ろめたさがあったのかもしれない。
今まで乃愛としてきた情事後の満足感を、今は心なしか感じていない。
「どうしちまったんだよ…俺は……」
師走の忙しさと、自分でもまだ自覚できてない感情にクタクタになったリヴァイは、そのままベッドに突っ伏し、シャワーも浴びずに寝てしまった。
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翌朝
いつもより少し早目に起きると、1番にシャワーを浴びた。
着替えをすませ、リビングに向かうが、少し足取りが重い。
リビングに入りカーテンをあけると眩しい朝日が入ってくる。気温は低いが晴天のようだ。
そして電気をつけてからカゴにかけてある布を取ってやる。
「真珠、昨日は出してやれなくて悪かった。すぐに寝ちまった……」
下手なウソをつきながらかごの扉をあけるが、真珠はリヴァイに背中を向けたまま出てこようとしない。
いつもは喜び勇んで出てくるのだ。
リヴァイはなんとなくしていた嫌な予感が当たってしまい、内心少し焦った。