第4章 リヴァイ★以心伝心
運良く渋滞に合うことなくオフィスにたどり着くことがてきた。
「おはようリヴァイ。車でくるのは久しぶりだな。夜出かける用事でもあるのか?」
「………………。」
パソコンの画面を見ながら問いかけたが返事がない。
顔を上げリヴァイの方を見ると、まさかのペット同伴出勤だった。
「なんだ、同伴出勤だったのか。」
「おい、変な言い方するなよ。朝方連れてけと騒がれてな。仕方なく連れてきた。俺は午後からクライアントと面談で出るからエルヴィンみててくれ。夕方には戻る。」
「あぁ、かまわない。名前はなんていうんだ?」
エルヴィンは興味津々に真珠のかごを覗き込む。
「真珠だ。」
「素敵な名前だね貴婦人。私はエルヴィン・スミスだ。リヴァイと一緒にこのオフィスで仕事をしている。宜しくな。」
貴婦人?気持ち悪い呼び方するんじゃねぇよ。
リヴァイは舌打ちすると、パソコンの電源を入れて椅子に座った。
「カゴからだしてもいいのか?」
「羽切ってるから大丈夫だ。だが手に乗るかどうかはわからねぇぞ。そいつは好き嫌いが激しいからな。」
そんな忠告も聞かずに扉をあけると、扉まではトコトコとでてきたが、エルヴィンと顔を合わせようとしない。
手に乗せようとするが右に左に逃げてしまう。
しまいにはエルヴィンの人差し指を軽く噛んでしまった。
「リヴァイ、貴婦人に噛みつかれた。いったいどういうことだ……」
「だから言っただろう。そいつは好き嫌いが激しいんだ。おおかた、無駄にデカい男は好みじゃないんだろう。」
冷静につっこんだつもりだが、リヴァイは内心おかしくてしょうがなかった。
リヴァイは真珠によくやった、と心のなかで呟く。
それと同時に自分以外の男の手には乗らなかった真珠に愛しささえこみ上げてきた。
「真珠、こっちにこい。」
真珠はリヴァイの方をむくと、飛べない羽を一生懸命ばたつかせて飛んで行った。
人目もはばからず、肩に乗った真珠の背中にキスをするとリヴァイは何事もなかった様に仕事を始める。
「フッ、なんだか妬けてしまうな…」
エルヴィンはすこぶる残念そうにすると、自身もパソコンにむかい仕事を片付け始めた。