第3章 リヴァイ★詮索される
「エレンが調子に乗って原付きから転倒すると危ないのでついてきました…」
「なんだよミカサ、俺は1人で行けるって言ったのによー。」
おいおい…こいつはこの女の付き添いがないと、配達もできねぇのかよ。この店大丈夫かよ…
「店番は大丈夫なのか?」
「はいミケさん、今はアルミンとジャンがいるので大丈夫です。」
ミケがピザを受け取り会計を済ませると、このエレンとミカサというガキはいきなり胸を張り、右手の拳をドンッと胸にあてた。
「お買い上げ、ありがとうございましたー!」
……なんなんだよ。普通客にはお辞儀でお礼するもんじゃねぇのか?
「おい、そのふざけたポーズはいったいなんなんだ。」
リヴァイは思わず突っ込まずにはいられなかった。
「よくぞ聞いてくれました!これは俺とアルミンで考えた感謝を伝える最敬礼です!カッコいいですよね?」
ですよねと言われてもまったく共感できないが、呆れたリヴァイはもうどうでもよくなっていた。
「そうかよ…ご苦労だったな…もう帰っていいぞ。」
すると、2人は軽くお辞儀をして帰っていった。
結局お辞儀するんじゃねぇかよ!!
自由の翼という変なネーミングにふざけた敬礼のポーズ……
そんな店のピザの味にたいした期待はしていなかったが、予想をはるかに超えてそれは美味かった。
「エルヴィン、リヴァイ、どうだ?美味いだろ?」
ミケは得意げだ。
「あぁ、とてもデリバリーとは思えない。うまいじゃないか。」
「悪くねぇな…」
さすがは鼻のきくミケだ。
美味いものを嗅ぎ分けるのがうまいらしい。
「これは奢りにしてやるから副業が成功しそうなポスター作ってくれ。」
「「まぁ、考えておく…」」
2人はミケと目を合わせないように生返事をした。
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仕事が終わり帰宅すると、まず真珠に帰宅の報告をしてからシャワーを浴びる。
そして鳥かごの掃除をすると、放鳥してやりながら夕食だ。
リヴァイは潔癖症のため鳥かごの掃除は朝と帰宅後の2回するという徹底ぶり。
ダイニングテーブルのイスに腰掛けてビールの缶をあけると、真珠が左の肩に飛んできた。