第2章 【かずなり】の日常。
また以前と同じ部屋の前に立ち、
部屋のベルを鳴らす。
そしたらゆっくりと、気配が扉の前に
現れる。
扉が開いて、俺の前に姿を見せた
櫻井さんは俺を見て、にやりと口角を上げた。
そんな些細な仕草ひとつに、
ぞくりと身体中が痺れて、
俺は、無意識に尻の中にある玩具を
きつく締め上げてしまっていた。
その快感に、足がガクガクと震え、
立っていられなくなって、俺は
櫻井さんの胸の中へとなだれ込んだ。
「…っ、はぁ」
翔「っと、今日はとても体調が優れていないように見えるけど…大丈夫?」
しっかりと俺を抱きとめてくれた
櫻井さんは、俺の髪を優しく梳いて
煙草の匂いをさせながら、強く俺の腰を引いた。
「だ、いじょうぶ…っです、ただ…その、」
翔「カズくん、色気凄いよ…」
「え…っ?」
俺が、早く抱いて欲しいと
そう口にする前に、櫻井さんが
うっとりと滑らかな口調でそう囁いた。
あれ、もしかしてこれって…。
「今日は、そそられます…か?」
思い切って聞いてみた。
櫻井さんの瞳を見つめながらそう聞くと
櫻井さんの表情が、前回より大人の情欲を
纏ったエロい顔をしている事に気付いた。
翔「もちろんだよ、なんで前はこんな事思わなかったんだろうね…それが不思議でならないよ」
「嬉しい、やっと俺で満たされてくれるんだ…?」
翔「それは、これからのカズくん次第かな」
「頑張りますよ、前回の時も含めて」
翔「じゃあ、脱いで…」
やり返せている事にとても満足しながら
俺は、一枚ずつ服を脱ぎ捨てていく。
玩具は、最後の最後にずるりと抜いて
裸になって櫻井さんを強くベッドの上へ
押し倒した…。
やっと、金持ちの太客を手に入れたよ。
そんな悦びに、心を踊らせながら。