第1章 【さとし】の日常。
『ん、んん…っ、は、んぅ…っ』
佐藤さんは、僕の咥内を余すことなく
キスで翻弄するのが好き。
そのあとは決まって、僕をゆっくりと
ベッドの上へ誘う。
『あっ、あぁっ…んっ、は、ぁっ、やっ…』
田中さんは、僕のことを激しく後ろから
攻めるのが好き。
そして、後孔を目立たせるようにニチリと
お尻を拡げるのも、お好き。
田中さんは、結合部が見えた方が
感情も興奮するみたいだ。
『ぅ、あっ…ん、そこ、ばっか、り…っは』
鈴木さんは、僕の乳首を執拗に
こねくり回すのが、お好き。
僕のピンク色に尖る乳首が、一番の
興奮材料だと、初めてお会いした時に言われた。
だから、多少痛みを感じても
鈴木さんが悦ばれるならと、僕は
乳首を尖らせて、鈴木さんの前へ晒す。
僕を一番興奮させるのは、この人たちの
僕の身体で恍惚した表情。
僕の身体を、見て、触って、変化させて。
そうして悦んでる姿が一番クるの。
どうして、僕がこんな事を語るのかって?
それにはもちろん、理由があるよ。
僕、大野智は…所謂、男の。
男を専門にする『デリへル嬢』だから。
男では『嬢』なんて言わないかな?
でも、一番相応しい名がそうだから…。
そろそろ新しいお客様が、僕に
指名を入れてくれた時間かな。
今日も僕は、お客様を悦ばせる為に
指定されたホテルへと駆り出して行く。