第2章 【かずなり】の日常。
『…っ、カズくん、今日も可愛いよっ、』
俺の事を、可愛い可愛いと連呼しながら
俺の上で腰を振り、自分の喘ぎ声を
部屋中に響かせる。
正直、意味わかんねぇしキモイ。
『なぁ、気持ちいいだろ?…ほら、悦んでる』
俺の乳首を弄りながら、痛さで
尖ったのを、快感で尖ったのだと
勘違いしてずっと、俺の乳首を
弄り回している。
正直、痛いし気持ちよくないし、キモイ。
『…あぁ、中に出しちゃうよ、良いかな? 良いよね…っ』
なんて、ひとりで勝手に盛り上がって
対したテクもなく、俺の中で爆ぜた
こいつも、もちろんキモイ。
結局、どいつもこいつもキモイ、キモイ。
客だからって割り切れはするけど、
心ん中じゃ本当にキモイと思ってるんだから
仕方がない。
多少、これが顔に出てたって
客には関係ないだろう?
別に俺の気持ちなんて、気にしてない
だろうし、セックスに必要ない。
金を払って、やらせてくれる相手を買う。
そう、俺はただ金さえ払ってくれたら
どうだっていい。
誰だっていい。
どんなプレイでも受けてやるし、
痛くても我慢する。
…まぁ、性病にだけはなりたくないけど。
俺は、男専門のデリへルをしてる。
店ではそこそこ売れっ子で。
一番人気の、智には勝てないけど。
でも別にそれも気にしてない。
金さえ貰えればいいから。
順番なんて、どうだっていい。
俺は、店長から予約の件数を聞き
今日も、オーナーが経営してる
ラブホテルへと向かった。
これが俺の毎日のオシゴト。