第7章 爺と孫姫
日番谷:柊沢、この書類総隊長に届けてくれ
あの子は、仕事している日番谷隊長の膝の上で寝ていた。
大人しいのを察したのか日番谷隊長は、もう気にしなくなっていた。書類を受け取った内容を見れば、私の事だった。
そうか、卒業する前に護廷十三隊に入ってしまったからその書類か。
日番谷:所でコイツ名前は?
あ、伝え忘れてた。
あの子が、日番谷隊長から離れようと全くしないから、軽くスルーしかけていたのだった。
澪:蒼ですよ。
膝の上で蒼は日番谷隊長を見つめる。
日番谷隊長は、蒼を撫でる。
蒼は気持ち良いのか欠伸かいてまた日番谷隊長の膝で丸くなるのだった。
日番谷:早く行け、それ届けないと本格的に仕事出来ないぞ
書類を見て、私は溜め息を吐いた。
総隊長の元ね。正直、気が引けるのだが、仕事である以上行くしかない。
澪:じゃ、まぁ、その行ってきます。
蒼はどうやら日番谷隊長の側を離れたくないらしい。
もう1匹のあの子は、大人しく隊長の隊所室で待っているが、今日のこの子は無理だろう。
澪:いずれあの子達、霊力高まるだろうし
流石に、溜め息を吐いた。
まさか、気に入って離れようと思わないとはね。
澪:さてと・・・。
一番隊の職務室の前で扉を叩いて入室すると、やはり山本元柳斎がいた。私に気付いた山本元柳斎は軽く目を開ける。
元柳斎:随分好きにやらかしてくれたな
書類作業の手を止め、私を見つめた山本元柳斎は少しだけ怒っていた。私は溜め息を吐いて、書類を机の上に置いて告げる。
澪:好きでやらかしたんじゃないお爺様
顔を近づけて抗議すれば、案の定山本元柳斎は、つまり私のお爺様は溜め息を吐いた。
元柳斎:わしゃ、呆れてものが言えんわ、何故ああなった。
その言葉に私は目を引きつった。
昨日の模擬戦のことだろう。確かにあれはやり過ぎた。
元柳斎:澪よ、選べ護廷十三隊に身分を隠しているか、それとも身分相応に戻るか、どの道わかってると思うが玖蘭の者である以上な
私は少しだけ溜め息を吐いた。
確かに住んでいた家に居続けるのが辛くなって逃げ出したのは事実。まして、お爺様に助力を求めたのも本当だ。