第13章 異世界生活六ヶ月目
「ん…」
次の日の朝、は見慣れた景色とは違う殺風景な部屋に驚く。
「えっ!?ここどこ!?」
「あ…おはようございます、さん。」
「えっトランクスさん!?なんでそんな所に…ってえ!?ここってもしかして…トランクスさんの部屋!?」
トランクスはのその反応にまさか…と思う。
「もしかして、覚えてないんですか?」
「す、すみません…全く…あ、あの、何があったんですか…?」
「わ、忘れてしまったんですか…」
少し残念な気がしてならない。
昨夜のことを思い出し、説明をするトランクス。
終始照れたように話すトランクスを前に、は赤面するしかほかなかった。
「そ、そんなことが…すみません!め、迷惑でしたよね…」
「いや、迷惑ではないですよ。でも、お酒に弱いようですので今後は控えた方がいいかもしれませんね。」
「は、はい、すみません…まさか甘酒で酔うなんて。今までにこんなこと無かったんですけど…」
「そうなんですか?うーん…」
トランクスは暫し考えるとある一つの考えに辿り着く。
「あ…もしかしたらこっちの世界とあちらの世界ではアルコールの強さや成分が異なるのかも知れませんね。だから、あちらの世界では大丈夫だったけどこっちでは無理だった…」
「な、なるほど!そうかもしれないです。じゃないと甘酒で酔うなんて恥ずかしい事になるはずがないですもん!」
「はは…まあ、次からは気をつけましょう。他にもそういう食べ物があるかもしません。」
「そうですね!」
はそこであっ、と気づく。
「トランクスさん!」
そう名前を呼ぶと、トランクスの前まで行き正座をする。
「あけましておめでとうございます。今年も…といってもあと二ヶ月ですが、よろしくお願いしますね!」
「あ、そういえば…はい、あけましておめでとうございます。こちらこそ残り短い間ですがよろしくお願いします。」
へへ、ととトランクスは顔を見合わせる。その二人の間には、お互いを想いあっている様子が伝わる。…実際本人らは自覚が無いだろうが…。
そして、残酷にも時は過ぎていき、別れの時が近付いてきていることを二人は思い知る。
残りあと二ヶ月…は改めて時間のなさを痛感する。トランクスさんへの気持ちは募るばかりだ。