第5章 俺っちはそんなの認めないから!
「絶対だめ!!!!」
さて、現在私は独歩の家、の玄関にいる…んだけどまあまあ面倒なことに中にいる一二三が
中に入れてくれない事案が発生した。
原因は、うん、100%私な訳で。
とりあえず離れた場所で待機してるけど
会話が筒抜けな訳で。
「そんな事言われても
ここ俺の家でもあるし…」
「それでも!
彼女出来たから連れてきたって
いきなり言われてもいまスーツクリーニング
出してるし無理!」
「いや
スーツを着せた一二三には会わせたくない」
「そーいう話じゃなーくーてー!
とにかく俺っちはそんなの認めないから!
絶対だめだかんな!」
と、まあこんな感じで私がいる限り
一二三は絶対に独歩を家に上げないつもりでいるらしい。
これは中々手強いぞ…。
「私帰った方がいい?」
埒が明かないので一二三と口論中の独歩の肩を叩いて聞いてみる。
すると独歩は困った顔をして言った。
「帰るって…家ないんだろ?」
「昨日泊めてくれなかったくせに何を今更
適当にホテルでも探すわよ」
「あれは付き合う前だったからで…
とにかく待ってくれ…
それだったら先生に連絡して」
そう言って独歩はスーツの中を探って
スマホを探し始める。
はて、先生とな……?