第2章 年下のくせに生意気なのよ
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それから2分もしないうちにキャリーバッグが
運ばれてきて着替えと歯磨き、
それからドライヤーを済ました後
荷物を2階に運ぶ為一旦リビングに戻る事にした。
「…どうしたの?」
が、何故か一郎の様子が可笑しい。
私から遠ざけるように二郎と三郎を背に庇い
警戒した眼差しをこちらに向けてくるのだ。
「弟に妙な真似するやつには近づけられねぇ…」
「え?」
妙な真似って…、はぁ…。
「何か誤解してる?」
なんでこいつら兄弟って揃いも揃って
妙な勘違いをするのか。
私は妙なことなんて何も…いや、した?
うーん?した…のかなぁ?
はっきりとしてないって言えないのが
なんとも…。
「勘違い…?
じゃあどうしてアンタと一緒にリビングから
消えた三郎の顔が赤くて、二郎の口にアンタの
口紅が付いてんだよ!」
「さあ?」