第2章 年下のくせに生意気なのよ
突然の勝負という言葉に
一瞬思考が停止する。
しかし三郎はお構い無しに話を続けるので
私も無理矢理頭を働かせた。
「勝負は簡単。オセロです」
へぇ、いい勝負を持ってくるじゃない。
将棋やチェスみたいに難しいイメージは
ないけれど、あれはあれでシンプルながら
奥が深いのよね。
「それで、勝負って何が目的なの?
お金?それとも…私の身体?」
「まさか!
ただ有栖さんのことを
試したいだけですよ
でもそうだな…僕が勝ったらひとつだけ
聞いて欲しいことがあります」
「そんなこと言って私に乱暴する気でしょ
エロ同人誌みたいに」
「しませんってば!」
からかうように言えば1度目は流されたものの
2度目は顔を真っ赤にして否定される。
照れちゃってかーわいい。
まあ私も中学生のお子様に興味ないけど。
だって10歳も歳下よ?
流石に犯罪だわ。
警察にしょっぴかれるわ。
「冗談よ冗談
勝ったらなんでも言うこと聞いてあげる
ただし私が勝ったらもう二度と私の前で
私の家の話はしないでね」
「わかりました
じゃあさっそく始めましょうか
おい二郎、邪魔だからそこどけよ」
「あ!?」
「あーこらこら喧嘩するなって」
三郎は二郎に憎まれ口を叩きながら
自前のオセロを机に広げていく。
下二人がこうじゃ一郎も大変ね…って
あらまあ結構しっかりしてるじゃん
このオセロ。本格的ー。
お小遣い貯めて買ったのかしら。
「お待たせしました、僕は強いので
ハンデあげましょうか?
後攻でいいですよ」
はぁ?なにそれ舐めてる?
私これでも優秀なんですけど?
中学生に負けるわけないでしょ。
「お気遣いなく、私は黒が好きだから
先攻にさせてもらうわ」