第32章 たぶん無理@高尾@
すると、和君の体は1mも先に離れていった
私を、避けた…?
「…え?
和君?」
忘れ去っていた不安がよみがえってくる
いきなり抱きつくとか何やってんの私!
「和君、和君、ごめ…」
「謝んなくていい。ユウちゃんは悪くない。」
「え、でも…。」
「いいから!」
しつこくしたせいか強い口調で言われてしまった
いづらくなって、部屋を出るために鞄を拾いに
和君の前に移動した
部屋を出て行くのを、引きとめてほしくて
下げた頭の、前髪の隙間から
チラッと和君を見る
和君は口元に手を当てて
頬を真っ赤に染め上げていた