第2章 個性の暴走
§轟side§
雄英高校推薦入試が終わり、帰宅途中。
そこは、人通りの少ない路地裏だった。
1人の少女がいた。
「(俺くらいだろうか。こんな人通りのない所でなにしてんだ?)」
声でもかけてやろう、と思い声をかけようとした。
「おい、そこでなにを_」
してるんだ、といえなかった。
赤黒い、なにかが飛んできた。
硬く、赤黒く、尻尾のようなものが。
『くるっ……なぁっ……あ゛ぁっ……』
そう俺に言い放った少女の右目は白目の部分が黒く、綺麗な真紅色の目をしていた_。
個性の暴走か…?
個性の暴走と言えるのだろうか。
そもそもこれは個性と言えるのだろうか。
俺はそんな事を考えながらも、自然と足が少女の近くまで歩いていた。