第4章 図書館では、お静かに。
「なぁ、凛ちゃん。…冗談やと思ってるやろ。」
…意地悪そうに笑いながら、翔太君は
言葉を続けた。
「ほんまに、あわよくばって、下心あるんやけど。
ってゆうたら、どうする?」
!?
お…落ち着け私!!
えっ?翔太君って、浩二君の親友だよね。
…絶対、からかわれてる!!
『類は友を呼ぶ』やわ。
オタオタする私を見て、面白がってるだけなんや。
一人『百面相』状態の私に、
「…凛ちゃん?聞いてる?」
翔太君が覗き込んだ。
「ちっ!!近いって!!」
思わず大きめの声を上げて立ち上がった私は、
やかましい…と、頭を小突かれた。
振り向いたそこに、浩二君が立っていた。
「ぎゃ~!!」
私の奇声が静かな館内に響き渡って…
三人揃って、図書館から追い出された。
図書館では、お静かに…。