第2章 嫉妬。
あかん…ほんまにヤバい…。
「なんや。この世の終わりみたいな顔してんで。」
由紀が笑顔で話かけてきた。
「…そんなにあかんかったん?
英語の小テスト…。」
そう…。そうなんです。
もうすぐ期末テストもやってくると
いうのに、私と言えば、
小テストすら散々な始末。
「もう、ええねん。日本から出えへんねん。
日本語すら時々怪しいのに、この上英語まで…。」
「あんた…この時代、英語出来な何かと不自由やん。
何が分からんのよ。」
「何もかも…。何が分からんかも分からん。
全部分からん。」
投げやりな私に、由紀はため息をついた。
「浩二君に教えてもらいや。あの子、
結構出来るやろ?」
「ええ、出来ますとも。何が分からんかも分からん、
馬鹿な私に勉強を教えて下さい。
…なんて、好きな人に言えるか~。」
それもそうだと、由紀は笑い飛ばした。
「由紀~、由紀様。私に勉強を
教えて下さいませ!!」
そう言って縋り付く私に、クラブが忙しいから
無理だと笑顔で断った…冷たい…。
…絶対、面倒臭いんや。
由紀の意地悪~・・・。
誰か…助けて下さい!!
そんな事を思いながらも、私は浩二君に
目を向けていた。
…うわぁ~…また、女子数人に囲まれてる。
モヤモヤと…嫌な感じが
心の中に広がった。