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夢繰り屋 凛 第六章

第2章 嫉妬。


あかん…ほんまにヤバい…。

「なんや。この世の終わりみたいな顔してんで。」

由紀が笑顔で話かけてきた。

「…そんなにあかんかったん?
 英語の小テスト…。」

そう…。そうなんです。
もうすぐ期末テストもやってくると
いうのに、私と言えば、
小テストすら散々な始末。

「もう、ええねん。日本から出えへんねん。
 日本語すら時々怪しいのに、この上英語まで…。」

「あんた…この時代、英語出来な何かと不自由やん。
 何が分からんのよ。」

「何もかも…。何が分からんかも分からん。
 全部分からん。」

投げやりな私に、由紀はため息をついた。

「浩二君に教えてもらいや。あの子、
 結構出来るやろ?」

「ええ、出来ますとも。何が分からんかも分からん、
 馬鹿な私に勉強を教えて下さい。
 …なんて、好きな人に言えるか~。」

それもそうだと、由紀は笑い飛ばした。
 
「由紀~、由紀様。私に勉強を
 教えて下さいませ!!」

そう言って縋り付く私に、クラブが忙しいから
無理だと笑顔で断った…冷たい…。

…絶対、面倒臭いんや。

由紀の意地悪~・・・。
誰か…助けて下さい!!

そんな事を思いながらも、私は浩二君に
目を向けていた。

…うわぁ~…また、女子数人に囲まれてる。

モヤモヤと…嫌な感じが
心の中に広がった。
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