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ジャンル混同短編・SS収録1

第1章 Fate短編・SS


鎧の温度

私の目の前にいる男は金色の鎧を着ている
それは武装と呼ばれる装いでこの時代には不釣り合いだった

だがこの時代には皮肉も相応しい戦争が起きたのだ
聖杯聖杯、いささか変わった戦争が。


それももう慣れてしまったが

『ねえギル、ほんとに私がマスターでよかったの?』
「ハッ 愚問だな 何故そんなことを聞く 違うな、聞いてどうする」
『ごめんそうだよね』
「あの神父の言葉でも考えていたか」

驚いた
彼は自分の考えていることなどお見通しなのだ

それとも自分がわかりやすいだけかもしれない
私がすぐに言い返せなかったことが答えと受け取ったギルは鼻で笑った

「フン 図星のようだな 綺礼の言ったことは所詮戯言だ、捨て置け」
そうは言うものの少し口に笑みが浮かんでいるのは明白だった

こいつ、他人事だと思って…
実際他人事だものね。
なんとなく悔しいけれど不快ではなかったのだから

綺礼に言われたこと、それもあるが
自分自身の疑問でもあったのだ

「おまえはギルガメッシュのマスターとして相応しいと思っているのか」
ただ一言、独り言のように呟いたのだ

その後にすぐ何でもないと言って何事もなかったように去っていった
綺礼の背中を見て私がギルのマスターでよかったのか疑問に思った
私としてもそれだけだったのだけれど


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