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「消えやらぬ」「君が行く」

第1章 蛍


「消えやらぬ 思いのように 宇治川の 川瀬にすだく 蛍のみかは」
『宇治川の川瀬に住む蛍のように、消えない思いが浮かんでくる。その思いに寄り添うのは、蛍だけだろうか/坂本龍馬』

「君が行く 道の長手を繰り畳ね 焼き滅ぼさぬ 天の火もかも」
『あなたが流されて行く長い道のりを、手繰り寄せて重ねて、焼き滅ぼすような天の火が欲しい/狭野茅上娘女/万葉集』
※いわゆる島流し、になった恋人へ向けての歌です。

今回、モチーフにしたのは上の二首ですが、イメージというか、元にしたのは下の和歌だったんです。

「春風に 誘われて散る 桜花 止めて止まらぬ思いかな/有村次左衛門」
「君がため つくす真心 天津日(あまつび)の 雲の上まで匂ひゆくらん/日下部松子」

ご存知の方がいるかもですが、有村次左衛門は、井伊直弼を暗殺したと言われる武士です。
この歌は暗殺前夜、返り討ち覚悟で行う為、婚約者の日下部松子に別れを告げに行った時、松子の母に「婚礼を挙げなければ(つまり一夜を共にしなければ)家から出さない」と言われ、最初で最後の一時を交わした後の和歌です。
そして翌日、次左衛門は井伊直弼を暗殺した直後、井伊の部下に斬られ後に切腹し、23歳で亡くなります。

このエピソード、悲しいけど好きで、本当に大河、それが無理なら映画化して欲しい。(とかいって既に映像化されてたらすみません)
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