第1章 弱点
「まさか、あんたらまでこんな馬鹿なモノを作るとは思わなかったよ」
呆れながら二人にそれらを放り投げると、
彼らは目を泳がせた。
エルヴィンの口車に乗ったか自主的に作ったかは知らないが、
リヴァイとミケも特注で自分のブツを再現したディルトを
作ったらしい。
もうアホか、バカかと説教しようと思ったが、
そんな気力も湧かなかった。
「ハンジ、このディルトの凄い所は下の部分が吸盤に
なっていて机に貼り付くところだ。恥ずかしがり屋で
なかなか誘ってくれないナナシにプレゼントしようかと
思うんだが、君ならどう思う?」
「死ねって思うわ、確実に」
顔を歪めながら全否定したもののエルヴィンは
そんな事では堪えないので、ハンジもそこであっさり
引き下がる。
相手にするだけ無駄だ。
全てを諦めたハンジを他所に男共は先程までの喧嘩が
嘘だったかのように密談を始めた。
どうやら三人のディルトをナナシに見せて、
誰がどのブツか当てさせるというチン○利きをさせたいようだ。
実に下らない。
ソレをやらせたが最後、絶対ナナシは爆発するだろう。
アホな男共は放っておいて、ハンジはナナシの怒りを
三人だけに集中させなければと思考を巡らせた。