第3章 ルカーキスでふやけるー
「でもっ」
「でもじゃない。…すごく、可愛いし、嬉しい。…だから、そうやって逃げようとされると、悲しい。」
ルカは聞き取りやすいように一つ一つ丁寧に告げる。
「…ずっと、待ってたんだよすみれのこと。幼い頃から聞かされてた夢見たいな話が今現実に起こってて、目の前にすみれがいる。」
キュッと抱きしめられる、
「…そんな、奇跡みたいなこと起こるはずないって諦めてた…けど、今目の前に俺だけのアリスがいるんだ。…その子がこんなに可愛くて、俺があげるものにこんなに素直に反応してくれるなんて、考えただけで嬉しくて震える、でしょ?」
ルカがくれる言葉がすーっとアリスの中へ溶けていく。
「…だから、逃げないで。隠さないで。…曝け出してよ。…どんどん溶けてくすみれの顔が可愛くて仕方ないんだ…」
「…ひか、ない、の?…こんな、の、」
「何度も言ってるでしょ。引かない。」
「……」
「理性なんて、どこかに置いてきていい…すみれが乱れるたびに俺はどんどんすみれの虜になっていくみたい。」
「…っ」
「…ぎゃくに、俺なんかにこんなこと言われたら、嫌かな?」
「ちがっ!…そんなことない。…嬉しくて、っ」
「嬉しくて?」
「…泣いちゃいそうっ…」
ふっとルカが微笑む。それは幸せそうに。愛おしそうに。
「…よかった。…じゃあ、もう何も考えてないで。そのままのすみれをぜんぶ見せて。…一ヶ月間、全部ぜんぶ、受け止めるから」
優しく囁かれ60分のキスがはじまった。
next