第10章 シリウスー大人と悪魔とキスとー
その瞬間シリウスがニヤリと口角を上げた。その目線の先にはルールの紙が。なぜか赤く光って見える。
「時間切れだ。」
「…ぇ…?」
「この課題のルールはキスしてる最中に1分以上唇を離さないことだ。…つまりそれを破ればもう一度最初からやりなおしになる」
「…ま、さか…」
「察しがいいな。そのまさかだ。60分最初からやり直しだ」
「なに、言ってっ」
「丁度いいだろ。おねだりも成功したんだあと60分キスすれば嫌でもイケる。いやイキ続けられるの間違いかもしれないが」
悪びれもなくシリウスが笑う。まさかあんなに何度も言わせたのも時間を計っていたのか、気づくと完全なる敗北感にお手上げだった。もう何でもいい。アリスの身体から力が抜ける。
「なかなか良いおねだりだった」
「…ぜんぶ、わかってて、…わざとっ」
「当たり前だろ。こっちは嬢ちゃんより遥かに年上だ。」
「…どうして、こんなことっ」
「しつけ。…生意気な小娘には躾が必要だろ。本物の大人をあまり舐めない方がいい」
「…」
「俺のアリスは随分と素直じゃないからな。力関係を教えてやらないとと思ってな」
じゃあ。と息を吐いてシリウスの顔が近付いてくる。
「あと一時間、頑張れよ」
アリスの目の前が真っ暗になった気がした。
「っ、はぁ、ぁぁっ」
「黙ってイクな、イクときはちゃんと言え」
「っ、やぁッ」
「次言わないでイッたらキスをやめる。どう言う意味がわかるよな?また最初からだ」
「っ、もぅ、む、り」
「だったらちゃんと報告してからイケ。わかったな」
「…」
「…返事は口でしろとさっきも教えた。できないのか」
「っ、でき、ます、」
「それでいい」
そこからアリスはシリウスに何度も何度もイカされその度に敵わないと教え込まれる。
「っ、ぁ、イクッ」
「我慢」
「っ、ぁ、ぁ、できな、っ」
「じゃあキスをやめる」
それはそれは長く気が遠くなるほど濃密な時間だった。
「っ、ゆ、るし、てッ」
「…大人なんだろ?こんなんでへばるな。」
60分が終わる頃にはアリスは完全にふやけてさしまっていた。
シリウスー口ーend