第6章 セスーキスと二重人格ー
「っ、まぁ、すぐには、無理よねっ、」
「っ、はぁ、はぁーー」
セスが微笑みながら頭を撫でる。アリスはその心地よさに目を細める。
「…、時間は、たっぷりあるわっ…逃げちゃう癖はあたしが治してあげるっ、だからアリスちゃんは身を任せてればいいのよっ、ね?」
「…せ、す、さん…」
「ひよっこちゃんね、スポンジみたいなものよ。沢山吸収できるの。…それにアリスちゃんは素直でいい子だし飲み込みも早そう。あたし、楽しくなってきちゃったっ」
楽しそうに笑いながらセスがウインクする。アリスはなぜか身震いした。
「…課題は一カ月で沢山出るわ。少しずつアリスちゃんを変えていくから覚悟しててね?」
その言葉を最後にセスは私に集中しはじめた。息継ぎの時間は最小限しか与えられず課題の残りの時間はただ口内を侵される。
「っぁーん、ん、ーー」
「舌をだして?」
「…ん」
「もっとよ。」
「っやぁっ、」
「…出せ、すみれ…できるよな?」
「っ!?……ん、」
「、そうだ、いいこだな、」
「ぁ、はー、は、ぃ…」
これが勉強だというならかなりスパルタだと思う。
アリスはそんな事を頭の片隅に思いながらセスがくれる快感から逃げたり。逃げなかったり。葛藤しながらキスを続けた。
課題が終わる頃にはその記憶はほとんどなく解放されると襲ってくる睡魔からずーっと意識を手放した。
「…すみれ…、覚悟、しとけよ?」
セスの囁きは部屋の中に吸い込まれて消えた。
セスー口ーEND