第4章 ルカー匂いでふやけ溶けるー
ルカはアリスの様子を見ながら物凄い速さで起きたことの整理をする。匂いを嗅いでーすぐにー
もともと敏感なアリス、ありえなくはない。けど速さといい反応といいキスの時とは明らかに様子が違う。まさかー
「…おち、ついた?」
「…ん。」
胸元で震えているアリスに問いかける。確かめなければならないことがある。ルカは自分の中にうごめく普段は感じることのない感覚に震えていた。ー支配欲
「…どうしたの?…急に、」
「…、わから、ないの…ルカの匂い、吸い込んだら、身体が急にっ…こんな、の、はじめてでっ、わかんなっ、」
「っ、…そ、っか」
腰に回した手に力を込めてグッと抱き上げ直す。
「…今のはまぐれかもしれないし、もう一回、やってみよう、すみれ」
「…う、ん、…」
「…これは、課題だし、できる、かな?」
「だぃ、じょぶ。」
アリスが身体に力を込めて自らの足でしっかり立つのを確認するとルカは首を傾ける。アリスはそこへもう一回顔を近づけた。
「っっ、ー、ゃっぱ、り、だめッーぁっあ、」
警戒しほんの少しだけ吸い込んだ様子だったのに。
「っ、んん、ーっ、」
再び膝がガクガクと震えてる。
「…すみれ…。…俺、いいことに、気付いちゃった、かも、…」
「っ、やぁっ、はな、して、る、かっ…ッ」
「…だめ…」
「っ、ど、して、おねがっーーッぁ、ぁ、」
俺のアリスの弱点みつけた。
グッと抱き寄せ離れないように固定するルカ。それに対抗し暴れるアリス。力の差は歴然で勝てないアリスはルカの首筋に顔を埋めたまま。
「んーっん」
できるだけ吸い込まないように呼吸を最小限にとどめ、どうしても苦しい時は口を開けて吸い込む。それでも人間は不思議でほんの少しでも匂いは感じてしまうのだ。
15分アリスにとって地獄にも似た時間だった。
「…っ、おわ、っ、た…」
ルカは確信した。すみれの弱点は自分の匂いであることを。そして心の中で蠢いていた支配欲は益々大きくなっていた。この子を自分だけのアリスをもっともっとふやけさせたいーもっと見たいもっと蕩けてほしい。自分の前だけで。
弱点というものはもしかしたら人の心を擽るものなのかもしれない。ルカは抑えられない欲に従うことに決めた。欲しい全てー
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