第15章 フェンリルー懐かれ過ぎのキスー未完成
ルールの紙が光り課題終了を知らせる。
「…おい、もう終わったから離れられるぞ…」
フェンリルがアリスへそう告げる。でもアリスは一向に離れようとしない。それどころグリグリとフェンリルの胸に顔を押し付けていた。
「…んー?」
「んー?じゃねぇよ、終わったから離れろってっ」
「…やだ。」
「…は?」
「…だから、あなたから離れるのいやなのっ」
「っ、お前、いいから離れろって!」
そんな会話をしてるうちに今度はお互いの手がくっついた。
「…あ!」
アリスの目がキラキラと輝く。
「…まじかよ…」
"二人っきりになる"
その繋がった手を離すためにはどうやらその課題をクリアしないとならないらしい。フェンリルがアリスのへ告げる
「…なぁ、二人になんなきゃいけねぇから、とりあえずオレの部屋行かね…?」
「うん!行く!あなたのお部屋見たい!」
繋がれたままの手をブンブンと降って喜ぶアリス。でもなかなか抱きついたまま離れない
「…なぁ、オレの部屋行くんだろ?とりあえず離れて…」
「やだっ、」
「やだって…これじゃ行けねぇだろうが」
「…むぅ、…じゃあ、あなたの部屋でもう一回抱きしめてくれる…?」
「…っ、な、」
「約束してくれるなら離れる」
ーーわかった。
フェンリルがまた根負けし頷くとアリスは漸くその身体を離した。そして嬉しそうに手を振りながら歩き始める。
「…着いたぞ…」
ドアを開け中に入るとアリスはニコニコ笑う。手は自然と離れた。
「ここがあなたの部屋?いいね!すごく好きっ」
「…散らかってるのにか?」
「ううん!綺麗だよっ」
「そうかよ。…とりあえずテキトーに座れ。ソファーはそこ…」
フェンリルが言い終わる前にアリスが離れたはずの手をもう一度握った。そして繋いだままその手を引きフェンリルが指差したソファーへ向かう
「おい、なんで手繋ぐんだよっ、今離れたばっかだろ!」
「約束、したもんっ、抱きしめてくれるって言ったもんっ!」
ソファーへ着くとアリスがフェンリルを先に座らせる。そしてそのままフェンリルの足の間は身体を割り入れて立った。
「…なんだよ、」
「…ギュってして」
「は?」
「だぁから!ギュってしてよっ、ね?約束したでしょ?」
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