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Fate/Dream

第4章 D



「君もマスター? もしかして時計塔の?」
「え、うん。そうですけど……あなたは?」
「僕はカルデアのマスター。藤丸立花、こっちはカ……ランサー! ここがこんなことになった原因を探してるんだけど」

 何か知らない? そう柔和に聞いてくる様子は人懐っこさを感じた。

「原因は、たぶん。大きな影、シャドウサーヴァントと呼ばれる謎の影の集合体。今は見当たらないけど、私たちもそれを倒すために戻ってきたの」
「じゃあたぶん、目的は一緒だ。協力してくれますか?」

 断る理由はなかった。ほかに戦力になりそうな人はいない、サーヴァントを連れているなら魔術師であろう。この不測の事態を少なからず把握し解決へ導こうという意思があるのなら断る理由はなかった。

「ドクター!協力者が見つかりました、ターゲットは」
『時計塔の真下に強い魔力を感知してる。なにやら待ち構えている様子だから気を付けてね』
「了解」

 どこかと連絡を取っている様子。
 そもそもカルデアなど聞いたこともない機関。魔術協会と関係があるのだろうが、私はあいにくとそういう関係には疎い。

「あ、不審だよね。カルデアは君の世界とはたぶん並行世界で……」
「カルデアがどこであろうといいよ。あのね、まず、目の前のあれを見て」

 あれ。と指さしたほう、彼の背のほうには城ほどの大きさがあろう影、もうシャドウサーヴァントと呼べる代物ではなくなっている。影の怪物だ。

「マスター、指示を」

 冷静なセイバーの声にここにいる全員が戦闘モードに切り替わる。

「えぇと、ミスター藤丸? そちらのランサーは前衛向きですか?」
「うん」
「じゃあ、セイバー、ランサー。ミスター藤丸のサーヴァントと協力して三方向から攻めましょう。まずは防御に徹することは考えなくていい、町はこんな状態だし、生き残っている人も見当たらない。支援はアーチャーと私が担います」
「……君、すごいね。カ、えっと、ランサー!彼女の指示に異論は?」
「ない」

 静かに視線を交わし頷きあった一瞬の後、サーヴァントの彼らは巨大な影の前に立ちはだかり、各々の武器を振るっていた。

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