第3章 C
ギルガメッシュを囲んでリシェはセイバーの横を陣取り、セイバーと互いにあーんをして満足そう。
「仲睦まじい姉妹のようだな」
「かわいらしいから見てて悪い気はしねぇよな」
「ランサー、私もマスターも見世物ではないぞ」
「別にいいじゃねぇか。かわいいってほめてるんだし」
「じろじろ見るなと言っているんです、食べにくい」
「まぁまぁ、セイバーもランサーも喧嘩はしない。せっかくアーチャーが準備してくれたお菓子がおいしくなくなっちゃうでしょ」
マスターのお叱りで静かに鳴った二人、とはいえセイバーは言い負かせなかった悔しさでランサーをにらみつけ、ランサーは少し勝ち誇ったようににやりとセイバーを見やる。
「お前たちのやかましさには呆れる。これを動かしているのは我だというのに、我が物顔で目の前で菓子とな。不敬極まりない」
「それに関しては謝るしかない。すまないアーチャー」
「菓子がうまいことだけが救いよな」
上空のお茶会を終え、マスターとセイバーがお昼寝に興じているうちに目的地へと到着し、ヴィマーナは静かに霊脈の上、ごつごつした岩場の広がる山の中腹へ着陸した。
「何もないな」
「けど、霊脈の上なのは間違いないねぇな」
「今回は特別に我がハウスを用意してやろう」
着陸したヴィマーナはそのまま。上ではままだマスターとセイバーがすやすやと昼寝中。
金のアーチャーは宝具の中からあまり大きくはないが、豪華な装飾やテラスを完備したログハウスを出現させ、あっという間に拠点を設置した。
「家具家電食料まで完備だ。我に感謝するがよい」
「すっげぇな。さすが王サマ、スケールが違うねぇ!」
「何から何まで。さすがとしか言いようがない。礼を言う金のアーチャー」
室内はギルガメッシュの手にかかり、装飾は完璧。エミヤが早速キッチンへ立ち、昼食にと作ってきたお弁当を準備し始める。
ヴィマーナで眠りこけてしまったアルトリアとリシェを起こしにかかったのはクー・フーリン。