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Fate/Dream

第3章 C




「マスターがお弁当を楽しみにしていたので」

 鼻息荒くそう言い切ったセイバー。金のアーチャーはセイバーの言葉を素直に受け取り、あとどのくらいで目的地に着くのか考え、ランサーはにやりとセイバーに顔を向けた。

「とか言って、腹が減ってきたんだろセイバー」
「な!違います!断じて違います!」

 テンプレートのようにセイバーお腹がキュルルと鳴りランサーは笑う。

「サーヴァントが聞いてあきれるぜ」
「こ、これはお弁当という言葉に反応して勝手に鳴っただけです!」
「う、うん。セイバー? おべんとう?」
「マスター。すみません騒がしくて。ランサーがからかうのです」
「はぁ? 先生に言いつける勢いやめろよ。小学生か」
「事実を言ったまでです! マスターがお弁当を楽しみにされていたので、アーチャーにいつ頃つくかと聞いたところで……」

 アーチャーの膝で丸くなっていたリシェは彼の膝から静かに下りて、唐突にセイバーに抱き着いた。

「セイバー、私と一緒にお弁当食べたかったんだね!かわいい!でも、本当はちょっと小腹が空いちゃったんだよね!かわいい!」
「マ、マスター…苦しいです」
「うふふ、ごめんね」

 空ゆくリビングになりつつあるヴィマーナ。いいにおいのする籠をもったエミヤが現れたからなおのことだ。

「空でのお茶も悪くないと思うんだが」

 持っていた籠の中にはクッキーやマドレーヌ、たぶんエミヤのお手製だろう。

「おいしそうです! 食べましょうマスター、さぁ!」
「はいはい。そんなに張り切らなくておやつは逃げないよ、セイバーちゃん」
「でも、ランサーに食べられては困ります」
「俺ぁそこまで食い意地張らねぇよ!」
「まったく、やかましい奴らだな」
「すまないな金のアーチャー」
「構わぬ。今までになかったからな。新鮮でよい」

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