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溺れた先の光

第17章 16 解かれた秘密(エルヴィン)


「俺もこいつも“能力”を全部把握してるわけじゃねぇ。そのうえで話を聞いてくれ・・・」

リヴァイが話すそれに私たち4人は驚きを隠せなかった。
だが、納得せざるを得ない場面がいくつもある・・・。

「こいつは“ネン”という生体エネルギーを自分の体や物に纏わせることで、それを強化することが出来る。ただの紙切れで机を真っ二つにできるほどの強化が可能だ・・・自分の体に纏えば、巨人からの攻撃にも耐えられる可能性が高い」

そうだ・・・緋涙は刃の持ちがいい。それもとんでもなくだ。それはこういうことだったのか・・・と疑問に感じていたところがリヴァイの話で解決していく。
連れてきて最初の頃はよく、立体起動がうまく扱えず地面や木に激突していた。なのに痛がる様子もなくすぐに訓練に戻っていた。

「こいつが資金を稼いでくるときに使っている占いも、その“能力”の一つだ。使える“能力”にはいくつか種類がある。他にも使えるものが多数あるようだが、すべてを把握できてるわけじゃねぇ。」

鬼が隠していた金棒の正体はこれか・・・
私はやっとわかったそれに口元が緩むのを何とか抑える。

「緋涙の“能力”の一つに記憶を取り出して弾丸にできるものがある。たぶんその“能力”で犯人がすぐに捜せるはずだ」

そこまで話とリヴァイは緋涙へと視線を向ける。
「エルヴィン、こいつの“能力”が人類にとってどれほど価値のあるものか・・・お前なら調査兵団でその“能力”をうまく使うことが出来るだろう」

その言葉にハンジがすぐに反応する。
「それじゃまるで緋涙がモノみたいな言い方じゃないか・・・!!」

握っていた手離し、リヴァイへと今度はハンジがつかみかかる。
「おい、ハンジ!!」
慌ててミケが止めに入るもリヴァイがそれを制止させる。

「そうだ・・・俺もお前もミケも、ただの駒だ。エルヴィンという打ち手がいて初めて俺達は機能する・・・。ハンジ、お前もそれをわかっていてエルヴィンの傍にいると思っていたが、違うのか?」

ぐっと押し黙るハンジにリヴァイは続ける

「緋涙はお前達が知るように巨人を全滅させるには必要不可欠な存在だ。器用だし勘もきく。俺もこいつが居るからいつも以上の力を出せている」
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