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溺れた先の光

第14章 13 変わる組織


リヴァイのいなくなった部屋で私は最後までその紙に目を通す。
最後のページに次の壁外調査の日程が記されていた・・・

『来月とか、早すぎだろう・・・』

ため息をつきながら私は執務室の掃除に取り掛かることにして、明日からの予定を頭の中で確認する。

しばらくしてシャワーから戻ってきたリヴァイが、掃除をしている私を見て「手を抜くなよ」と呟いて自分の机に座った。

それを確認すると私の体は自然と紅茶をいれるためにお湯を沸かしに行く。
もう習慣化されてきたこの生活に、私は頭で考えるよりも早く体が動いていることに苦笑いを浮かべる。
面白いことに最近ではリヴァイの表情一つでだいたいのことが分かってしまうまでになったのだ。

ちらり、と机に向かって書き物をするリヴァイに視線をうつすと、何やらイラついた表情がうかがえる。
手元のペンを見ると少しインクがすれているようだ。

消耗品がストックされている引き出しから新しいペンを出して持っていくと、分かっていたように持っているペンを私に差し出した。

「こうなる前に取り換えておけ・・・」
『ごめん、でも取り替えたばっかりだし』
「口答えするな、次からは新品でも確認してから俺の机にしまっておけ・・・いいな」
『わかった』

差し出されたペンと新しいペンを取り換えて、私は紅茶をいれるために先ほどの場所へと戻る。
この前の資金調達の際に買っておいた茶葉で紅茶を用意する。

ふんわりと広がるいい香りにリヴァイがこちらへと顔を向ける
『新しいヤツなんだけど、どうかな』
カップを机の邪魔にならないところへ置くと、リヴァイはすぐに口へ運び「悪くない・・・」と作業を続けた。

その後、執務室の掃除が終わった私は『終わった』と報告する。
何もなければ帰ってくる返事は「なら寝ろ」だ。

案の定その返事が返ってきたので、私は先に休ませてもらうことにした。

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