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はちみつレモン【HQ】

第4章 3回目のバレンタインデー《瀬見英太》




「ありがとうございました~」

笑顔で見送ってくれる店員さんに
軽く会釈をして夜の街へ飛び出す


はぁ…ついに買ってしまった…

手にした小さな紙袋に視線を移せば
胸が高鳴っているのが自分でもわかる


愛おしい彼女はいったい
どんな表情を見せてくれるだろうか?

笑ってくれる?
泣いちまうかな?

ちゃんと店員のお姉さんに相談して決めたし
私服のようにダサいとは言わせない…


だから…どうか断られませんように…
拒否られたら俺…立ち直れる自信ない…



大好きな彼女の顔を想い浮かべる
…あぁ…早く会いたい…





彼女の村井知花と知り合ったのは大学生の頃
バイト先の先輩後輩だった

真面目な性格で笑顔も可愛いくて
割りと早い段階で気になる存在になっていた…

でもなかなか二人の距離は縮まらなくて…


このままじゃダメだよなと思っていた
三年前のバレンタインデー


『英太くん…』

「ん?」

『今日バレンタイン…だから…その…受け取って?』

「おぉ…サンキュー」

『あっあのね…私…英太くんの事…好き…なの』

知花から告白してくれた…


真っ赤な顔で瞳を潤ませた知花が
勇気を出して告白してくれた事が
スゴく嬉しくて…絶対大切にするって思った

その気持ちは社会人になった今でも
全く変わらない…



バレンタインデー…俺達の大事な記念日


その記念日に大事な事をもうひとつ追加したくて…

付き合いはじめて三回目のその日
今度は俺が知花に気持ちを伝える


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