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【R18】Morning Glory Fizz【赤井秀一】

第81章 残党




秀一さんは私を抱き締める腕に
ぐっと力を入れ
左手に拳銃を持った


赤「俺の側を離れるなよ?」


『はい』


秀一さんが来た方向から
人影が見える


残「ちっ…お仲間を呼びやがったか
ティフィンはどこだ、ティフィンを出せ」


大きくなった私の姿を見ても
同一人物とは認識してない様子だ


残党は此方に拳銃を向け、構える


私は秀一さんにしがみ付いた


秀一さんもまた
残党の男に向け拳銃を構えた


赤「残念だが取引現場を押さえ
他の仲間はもう捕縛された
後はお前1人だ」


私は顔を上げ秀一さんを見た


取引現場は押さえる事が出来たのか…


赤「大人しく投降するんだ」


ジリジリと嫌な空気と緊張が
私達を包んだ


沈黙の数秒が長く感じる


残「ハッ…降参だ…」


そう言い残党は此方に向けていた銃口を
自らの顳顬(こめかみ)に当てた


『だめ…っ!』


私は咄嗟に一歩前に出ようとしたが
秀一さんの手で抑えられる


残「どの道俺らは終わりなんだよ…」


パァン…!


乾いた音が鳴り響いた


残党の男は
ゆっくりとその場に倒れた


正確にはゆっくりでは無い
視覚から得た情報が
脳で上手く処理されず
スローモーションに見えた


まるで舞台の上に立つ
操り人形が劇を終え
幕を閉じた後みたいに


男は自決した


恐怖から解放されたからか
目の前で人が死ぬのを見たからか
目頭が熱くなり
ぼろぼろと涙が溢れた












ーーーーーーーーーーーーーーーー


後始末を終えて
秀一さんの車に乗り
深夜0時をとっくに過ぎた時間帯


漸く私達は家に帰って来れた


赤「すまなかった」


玄関に入るなり何なり
優しく抱き寄せられ
額に何度もキスをされる


私は秀一さんの背中に
腕を回し胸板に顔を埋めて
安心感を求めた




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