【R18】Morning Glory Fizz【赤井秀一】
第72章 情報屋X
ごそごそと何かの物音で
目が覚めた
どうやら私は
いつの間にか寝ていたようだった
薄っすらと目を開けても
視力の低下した目と
暗さで全く何も見えなかった
赤「…起こしてしまったか?」
秀一さんの声に
ビクッと肩を揺らした
『…今、何時ですか?』
赤「深夜2時過ぎだ」
『降谷さんは?』
赤「さっき帰ったよ」
秀一さんはベッドに潜ると
私の体を抱き寄せた
赤「さっきは追い出す様な真似をして
すまなかった」
私は秀一さんの方を向いて
胸板に顔を埋めた
『大丈夫です、分かってますから…
私には何も出来ない事も、
秀一さんの足手まといになる事も…』
自分で言って悲しくなってきた
赤「違う、そうじゃない」
『じゃあ何で何も
教えてくれないんですか…』
赤「…葵」
色を含んだ声音で
私の名前を呼ぶ
頭から頬…頬から顎へと
秀一さんの手が滑る
顎をクイッと上に向けられて
唇と唇が重なった
雰囲気に飲まれそうになる
『んっ…秀一さんっ…
…誤魔化そうとしないで…』
秀一さんの体を押して
引き剥がそうとしたが
逆に押し倒されて
秀一さんが覆い被さった
『…秀一さんっ…いやっ…んんっ』
荒々しく唇が重なる
私を誤魔化そうとするキス
何でも教えて欲しいと
思う事はワガママなのだろうか
赤「葵…愛してる
いい子にしていてくれ…」
『秀一さんの言う"いい子"は
仕事には口を出さずに
何でも言う事を聞いて
隣でにこにこと笑っている女性の事を
言ってますか?』
赤「葵、違う」
『そうじゃないですか』
秀一さんは私を包む様に抱き締めながら
横に寝転がった
赤「…そう、だな…
葵の言う通りだ。
FBIと公安の合同捜査の内容までは
一般人の君には言えない。分かってほしい。
…俺の言う事聞いて
隣で笑っていてくれば
それでいい、そうして居てほしい」
『…私はいい子になれません』
私は捜査の協力をしたい
一緒に戦いたい
一人だけ蚊帳の外なんてごめんだ。
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