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【R18】Morning Glory Fizz【赤井秀一】

第7章 誘拐




外に出たあと
とりあえず走りながら
スマホの電源を入れる


すぐにディスプレイに
着信の画面が表示される


もちろん相手は沖矢さん


すぐに電話に出た


『もしもし、沖矢さん!』


沖〈今何処ですか?〉


低めのトーンに
相当怒っていることが伝わる


立ち止まってあたりを確認するけど
何処かわからない


『えっと…ここ何処だろ…
わからないのでマップ送ります!』


沖〈わかりました、
そこで待っていてください〉


『はいっ』


ぷつん、と電話が切れた
近くにあった花壇の端に
腰掛ける


おでこが痛い…


そう思い手をやれば
ぬるっとした感触


額が切れて血が出ていた


やば…沖矢さんに心配される…


でも拭くものも何も
持ってなくって
とりあえず服の裾で拭った


あぁ、この後
めちゃくちゃ怒られるだろうな…


しばらくすると
沖矢さんの赤い車が
目の前に停車した


中から沖矢さんが出てきて
走って駆け寄った


『ご心配を…お掛けしました…』


勢いよく頭を下げた


すると肩を抱き寄せられ
ぎゅうっと抱きしめられた


嗅ぎ慣れたタバコの匂いに包まれる


物凄く安心する


そのせいで
また涙が流れた


『おき、やさんっ…
ごめんな…さいっ…』


沖「帰ったら詳しく
説明して頂きますから」


額の傷に気付いて
ハンカチで抑えられる


そのまま助手席へ乗せられ
沖矢さんは運転席に座り
車を発進させた


沖「額以外に怪我はされてますか?」


前方を見ながら問いかけられる


『してません…』


すぅっと横から
沖矢さんの腕が伸びてきて
頭を撫でられる


沖「貴女が無事でいてくれて良かった」


あぁ、本当にこの人は
優しいなぁ…もう…


この時はそう思っていた




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