【R18】Morning Glory Fizz【赤井秀一】
第66章 熱※
秀一さんは私が眠ってしまうまで
側に居てくれた
飲んだ薬に
眠くなる成分が入っていたのか
私はいつの間にか寝てしまって
次に起きた時は夕方頃だった
赤「目が覚めたか?」
『ん…おはようございます』
私が体を起こすと
秀一さんは私の額に
手のひらを添えて微笑んだ
赤「少し熱が下がったみたいだな」
『お陰様で…』
赤「さっきよりも意識が
はっきりしているみたいだが
まだ安静にしているんだぞ」
『はい』
それから夕食のお粥も食べて
薬も飲んで軽くシャワーも浴びて
秀一さんのベッドでごろごろと過ごした
次の日には熱は完全に下がっていて
もう大丈夫だろうと安堵したのも束の間
今度は秀一さんの様子が可笑しかった
『秀一さん、秀一さんってば』
赤「…すまない、ぼーっとしていた
どうした?」
『朝から秀一さんの様子が変です』
赤「気のせいだ」
書斎のデスクでパソコンの画面と
睨めっこしてる秀一さん
手は先程から全く動いておらず
時折、頭を抑えている
ぼーっとしている事も多いし
私の声も聞こえていない事が度々…
もしかして…
そう思い、私は急いで
救急箱の中の体温計を取りに行って
秀一さんの元へ戻ってきた
『秀一さん、熱測ってください』
赤「俺が熱を出してるとでも?」
『いいから、測ってください!』
秀一さんは渋々体温計を手に取り
熱を測ってくれて
測り終わった後の体温計を見て
予想は的中していた
『やっぱ熱あるじゃないですか!
ほら、部屋に戻って寝て下さい』
赤「問題ない」
『問題大有りです
きっと私の風邪が移ったんです
ちゃんと休んで下さい』
秀一さんはデスクから離れようとせず
しばらく格闘した末に私の勝利を収めた
赤「わかった、降参だ
大人しく休むとしよう」
『いい子です』
私はいつも秀一さんがしてくれる様に
頭をぽんぽんと撫でてあげた
弱ってる秀一さんの事を
少し可愛いだなんて思ったのは
口が裂けても言えないな…。
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