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【R18】Morning Glory Fizz【赤井秀一】

第6章 安室透という男




数分後


『…あれ?おかしいな?』


マップがおかしいのか
それとも私が方向音痴なのか
中々米花公園にたどり着けない


うーん、と道端で唸っていると


後ろから声をかけられた


安「どうかされましたか?」


聞き覚えのある声に
どきりっとしながら
後ろを振り向く


そこには褐色の肌に
透き通るような金髪の
彼が立っていた


あ…安室さん…!


会いたくない人と
出会ってしまい挙動不審になる


もうここはすかさず
逃げるしかない


そう思い、背を向けダッシュした


あれ…?なんかデジャブ…


安「あ、待ってください!」


後ろから聞こえる声も
フル無視してなるべく遠くへ走る


体力がないのは
前回の赤井さんとの出会いの時に
十分にわかっていた


だけどそんな事を言っていたら
すぐに捕まってしまう


前方には少し大きめの公園


その中に駆け込んで
肩を揺らしながら
呼吸を整える


それから一旦ベンチに腰掛け
辺りをキョロキョロする


後ろを追ってきていたであろう人物は
姿を見せない


どうやら、巻いたようだ


ふーっと息をついて


青々とした空を見上げた


あ、ここ…


見覚えのある景色


真っ赤に燃える夕日が
脳内をよぎる


知らない間に
米花公園にたどり着いていたようだ


目を閉じて
あの日の光景を思い浮かべるが
やはり何も思い出せない


ふと、喉の渇きに気づく


全力疾走したから
喉がカラカラだった


『えーっと自動販売機…』


あった


自動販売機の前に立ち
沖矢さんが首にかけてくれた
お財布をあける


10万円…


一体何に使うんだ…


それからある事に気がつく


目の前の自動販売機は
一万円札が入らないタイプ


はぁ…どこか喫茶店でも入ろう


そう思いくるっと回れ右をしたら
私の真後ろに
先ほどのイケメンが立っていた


安「探しましたよ?」


これが私と安室さんとの
出会いだった



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