【R18】Morning Glory Fizz【赤井秀一】
第64章 伝わらない気持ち※
どうにかして
ポアロにでも顔を出せないか
考えてみたけれど
やっぱり最終的には
秀一さんの機嫌を損ねる事しか
考えられなくて
あーでもないこーでもないと
リビングのソファーに寝転がった
それに、考える事は
安室さんの事だけじゃない。
組織の事。
組織を上手く騙して
ティフィンを脱退させる例の作戦。
『あー…ダメだ…甘いものが食べたい』
脳を働かせすぎて
体が糖分を欲している
沖「ケーキでも食べに行きますか?」
『わっ!…昴さんか、びっくりした』
ソファーで仰向けになっていると
上から顔を除き込んできたので
盛大に驚いてしまった
起き上がって座り直すと
隣に昴さんが座って来て
優しく腕が伸びてくる
その腕に誘導される様に
昴さんの体にぴたっと
体をくっ付けて
昴さんの腰に腕を回した
『…昴さん、お願いがあります』
沖「どうしました?」
私は少し体を離して
昴さんの顔を下から覗き込んだ
『ケーキ…食べるなら
ポアロに行きたいです』
昴さんの片手が私の頬をなぞる
ゆっくりと顔を近づけられて
キスされると思い
ぎゅっと目を閉じた
が、暫く待っても
唇に感触がなくて
そっと目を開ける
鼻先がくっ付くくらいの
距離にある昴さんの顔を
確認した瞬間に
唇を重ねられて目を見開いた
意地悪された、と思ったのも
束の間、昴さんの舌が
唇を割って入り込んできて
呼吸を忘れる
『んんっ…はっ…んっ…』
再びぎゅっと目を閉じて
深いキスを堪能させられた
唇が離れて
静かに呼吸を整える
沖「最近、少々考え事が多いとは
思っていましたが
やはり彼のことを考えていましたか…」
そう言いながら
私の体を抱き上げいつもの様に
膝の上に乗せられる
昴さんの表情は
ニコニコしているけど
笑ってはいなくて
怒った様子だった
当たり前だろう。
また機嫌を損ねさせてしまった
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