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【R18】Morning Glory Fizz【赤井秀一】

第56章 お化粧




沖「…いけませんね、
葵さんの無防備な姿を見ると
つい、したくなります」


口元を私の耳に近付け
静かな声で


沖「もっと、していいですか?」


と聞かれた


昴さんに言われて断れる訳もないし
断る理由も見当たらない


私は赤く染めた頬を気にしながら
こくり、と頷いた


再び唇が重なる


生々しい舌の感触に
気持ち良さを感じた


昴さんの手によって
身体が作り変えられている
そんな気がした


唇が離れる


名残惜しさと
身体の熱だけが残って
思わず昴さんの服を握ってしまう


沖「私も葵さんと同じ気持ちですよ
ですが…続きは今夜…いいですね?」


『…はい』


服を握った手をスッと離すと
昴さんはお化粧の続きしましょうね、と
再びブラシを手にとった


手先の器用さに驚きながら
お化粧を続けられ
あっという間に変身を遂げた


目を開け鏡を見れば
そこには私じゃない別の人が
映っていた


沖「とっても綺麗ですよ」


『私じゃないみたいです…』


沖「いいえ、そこに映っているのは
紛れもなく葵さんですよ」


私を後ろから抱き締めて
鏡越しに私を見つめる昴さん


『昴さん…凄いです
ありがとうございますっ』


昴さんは満足げに微笑んだ


沖「さて、行きましょうか」


『はいっ、あ、でも
デートって何処に行くんですか?』


沖「葵さんが行きたい所へ
行きましょう」


『前もそれで海に行ったじゃないですか!
昴さんは行きたい所とか無いんですか?』


やいやいと玄関の方へ
歩きながら話していた


昴さんが行きたそうな所…


うーん、本屋さん?
ガンショップ?


デートでガンショップ…


考えただけで少し笑えた


沖「私は葵さんが居れば
何処へ行っても楽しいですから」


靴を履いていると
昴さんが後ろからぎゅっと
抱き着いてくる


『もー、昴さんってば…』


結局行き先が決まらないまま
工藤邸を出た


私も昴さんが居れば
何処に行っても楽しいから
何処でも良いんだけどね


なんて、思いながら。




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