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【R18】Morning Glory Fizz【赤井秀一】

第29章 記憶の真相




バタンと床に倒れた


動かない体


床に這いつくばって
前に進む


再びさっきのナースさんと
先生が入ってきた


先「急に動いてはいけません」


先生に止められた


『赤井さんは!
赤井さんはどこですか!』


先「赤井さん…とは
親族の方ですか?」


『違います!…観覧車の事故で
一緒に巻き込まれたはずなんです!』


私は必死に先生の服を掴んで言った


その掴んだ自分の手を見て
びっくりした…
子供の手じゃない…
何日も食事を取っていない
ガリガリに痩せた大人の手…


先「落ち着いて下さい
観覧車とは一体…?
有栖川さんはビルから落下して…」


ビルから落下…?


何…?


私は東都水族館の観覧車で…


『どうゆう…ことですか
ここは…どこですか
米花町じゃないんですか…!』


先「べいか…とは?
…少し混乱しているようですね
とりあえずベットに戻りましょうか」


先生とナースさんに
支えられてベットに戻される


ここは米花町じゃない…


私は観覧車から落ちたんじゃなくて


ビルから落下した…


ビル…


緋色の夕焼け空…


私はあの日
ビルから飛び降りた


まさか…私…


現実世界に帰ってきたの…?


あれは夢だったの…?


やだ…そんなのやだ
私は赤井さんの所へ行きたい


ふと、ベッドの横のチェストを見る


『…おもちゃの指輪…』


そこにはプラスチックの赤い石が
はめ込まれたおもちゃの指輪があった


ナ「これ、有栖川さんが
大事に握ってましたよ」


夢じゃない…


これはあの時レストランで…


でも…どうやって
戻れるの…あっちの世界に


ここにはもう
大好きだった人はいない…


守りたい人も
側にいたい人もいない…


『先生…私はいつから
ここに居たんですか』


先「半年ほど前ですよ」


『そうですか…』





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