第11章 ◎裏切り
手のひらにあるブレスレットを見せると
一瞬、裕典は驚いた顔をした。
だけどすぐにニコッと笑って、
「なんだろうね、これ」
「え?」
持ってたブレスレットは、
裕典の手に持って行かれてゴミ箱に落ちた。
「寝よっか?」
「え、ちょ、ちょっと待って!」
キスをしてきそうになったから、
少し裕典の胸を押した。
「なに?」
「だ、から……あれ、女性のじゃ……ない?」
「うん。だね」
だねって、え?
どういうこと?
え、これって普通のことなの?
「…………浮気、してる、の?」
「浮気ねぇ………………浮気なのかな?」
「は?」
頭をワシャワシャかいて裕典はニコッと笑う。
なんで笑ってられるの?
「付き合ってる?みたいな
まだから返事聞いてないし、
いいかな、みたいな」
「…………わ、わけわかんない。そんなの」