第2章 ◎動き出す時間
久々に見た雅紀は変わらず、
片手を少し挙げて私をそう言って呼んだ。
「ひ、久しぶり」
なんて少し小さい声で言うと、
雅紀はヒマワリみたいに笑って、
「ねっ!元気にしてたの?」
「え?あ、まぁ…」
昔はこんな沈黙なかったのに、
それは会っていない月日を表すみたいで、
少し嫌な気持ちになった。
「雅紀、危ないよ?撮られるかも」
なんてわざと距離なんか自分でとって、
雅紀と離れようとした。
「いや、もう帰るから大丈夫だよ」
「……そっか」
「あ!さっきの彼氏でしょ?」
「え?あ………うん」
なんだ、切なくなっちゃってるよ
別に雅紀に言うだけのこと……
どうってことないはずなのに
「いい人そうじゃん!結婚すんの?」
涙が出そうになった。