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未完成なワルツ
第11章 ◎裏切り
「よいしょっと…………ん?」
裕典のスーツの上着をハンガーに掛けようと
手にそれを持った瞬間、
違う甘い香りが私の鼻に伝わってきた。
「香水、変えたのかな……?」
なんて思いながらハンガーに掛けたら、
ポケットからある物が落ちてしまった。
ブレスレット……?
え?なんでこんなものが?
その時、雅紀の言葉を思い出した。
'本気で好きじゃないよね?'
'なんであんなやつ好きなの?'
もしかして……いや、でも
「ふぅ……気持ちよかった……?」
違うよね?
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