第9章 ◎子供な大人の助言
松本さんは新郎と小学校が同じらしく
新婦の女の子ともよく遊んでたらしい
だから松本さんも幼なじみなわけだ。
同じ色をしたシャンパンを持って、
二人でバルコニーに出た。
今日はいつもより増してカッコいい
スーツのせいかな?
「しかし奇遇だね」
「あ……で、すね」
「え?緊張してる?まさか(笑)」
「…………ちょ、っと……」
だってやっぱり芸能人だし、
なんかギラギラしてるし松本さん
「プロポーズの返事は、したの?」
「え…………あ、まだ」
しようと思った夜に裕典が用事で、
あのとき用事がなかったら変わってたのかな
「自分と重ねたでしょ、あのスピーチ」
「え、いや…………」
「俺は重ねたけどね」
「え?」
松本さんのその言葉に目が点になる。
そ、それって……そういう、こと?
「どうすんの?」
「ど、どうするって……何をですか?」
「結婚
だってちゃんの返事で決まるし、
考えないとだめじゃん?その……気持ちをさ」
きっと松本さんは気づいてる。
私がまだ雅紀のことを思ってることを
「大丈夫です。
きっと上手く全て終わるから……」