第9章 ◎子供な大人の助言
――12年前のクリスマス
大学生活にも慣れてきて、
髪の毛にもパーマなんてかけちゃって
茶髪に染めちゃってメイクだってする。
そんな年になって大人になったのに、
彼はやっぱりいなくて、
寒い冬をもっと寒くさせる。
「ヒック……ヒック」
クリスマスを寂しく過ごすサークルの仲間と、
仲良く居酒屋でクリスマスの夜を明かして、
実家に酔いを冷ましながら歩いて帰ってた。
「……!ちょっと……」
「ヒック……んあ?さ、サンタ…?」
家の前には寒そうに震えてる、
赤と白の衣装が似合うサンタさんがいた。
いや、あれは…………雅紀だ。
「な、んで……」
「ホッホッホ!なんつって(笑)
サンタさんになってみました。」
なんてまたまたアイドルスマイルが眩しい
やっぱり雅紀はアイドルなんだ。
「ほら、クリスマスプレゼント届けにさ?」
「く、クリスマスプレゼント?」
そう。それが雅紀からの初めてのプレゼント