第8章 ◎最悪なヤツ-雅紀side-
なんで……?なんでだよ。
なんであんなとこに…
なんで女の子となんか
なんで手なんて繋いで
「ちょっと雅紀、聞いてんの?」
なんで、隣にがいないの?
だってプロポーズしたんでしょ?
じゃあなんでいないんだよ。
「ちょっと雅紀っ!」
「…………い、痛っ!なに母ちゃん!」
フォークで俺の腕をツンツンしてくる母ちゃんは
なんだか不機嫌そうな顔をしてる。
「どうしたの(笑)その顔変だよ
まずかった?それ欲しかったんだろ?」
「そうだけど!
あんた、なんか変よ?うん。変!」
「変?あーそう?そう?ヒャハハ、そっかな」
そうだよ。変だよ。
いや、変じゃないよ。通常だよ。
人の幸せ願うことって変じゃないよ!
「あ、そういえばちゃんが
引っ越す、みたいなことで準備してるって」
その瞬間わかんなかったけど、
わかんなかったけど、
いつのまにか走ってた。