第8章 ◎最悪なヤツ-雅紀side-
「ん、じゃあ親父さんたちによろしく」
急に母ちゃんから電話があって、
ちょっと渡したいものがあるみたい。
だからニノと駐車場でお別れ
「母ちゃん、なんだろ?」
「分かりませんよ(笑)んなの、わたしには」
「だよね、ヒャハハ
じゃあ、またね?またおいでね?」
「わかったから(笑)うっさいのよ、まじで」
なんてちょっと笑いながら、
お互い車のキーを押して違う方向へ向かった
'悪い男'
'魅力的'
'好きな女'
ニノのそんな言葉がやっぱり胸に刺さって
どうやら抜けそうにもないみたい。
きっとこれはトゲみたいなやつ
ニノめぇ……
そう思いながら車に乗って、
去っていくニノの車を睨んだ。
チラッとニノと目が会ったのは気のせい?(笑)
なんて考えながら俺も出発して、
地元である千葉に向かった。